千歳の概要About

千歳市は、北海道の中南部・石狩平野の南端に位置し、北海道の空の玄関である新千歳空港がある人口約9万7千人の街です。
市域は東西に細長く、東部はのどかな田園風景が広がる農村地区で、西部には水と緑あふれる支笏洞爺国立公園に属する支笏湖があり、そこから流れ出る千歳川が市街地を貫流しています。
千歳市を象徴する支笏湖は、周囲約40km、最大深度約360mのカルデラ湖で、温泉、キャンプ、遊覧船、ダイビングなどのさまざまなアクティビティを楽しむことができます。
農村地エリアでは野菜の収穫体験、乳製品やリースなどの手づくり体験といった農場・牧場体験をすることができます。
市街地エリアでは、サケと北方圏の淡水魚の生態を楽しく学ぶことができる「サケのふるさと千歳水族館」やアウトレットモール、工場見学など多様な観光資源・施設を楽しむことができます。

千歳の概要

千歳の歴史History

千歳の歴史

千歳は古来から太平洋側と日本海側をつなぐ交通の要路でした。
市内には千歳川を中心に大小の河川が40本以上流れ、その流域には旧石器時代から近世に至るまで約300か所の遺跡があります。特にウサクマイ遺跡群(縄文早期から近世まで)や、世界文化遺産の登録を目指しているキウス周堤墓群(縄文後期)は、国の史跡に指定されるなど、希少な遺跡として知られています。

千歳の歴史

千歳地方一帯は、1600年代より「シコツ」(アイヌ語で大きな凹地)と呼ばており、史記にも「志古津」や「シコツ」と記載され、千歳川もかつてはシコツ川と呼ばれていました。しかし、その音の響きが悪いという理由から、1805年、当時は多くの鶴が生息していたことから「鶴は千年、亀は万年」の故事にちなんで千歳川に改名、これが「千歳」の地名の原点となりました。
明治に入ると札幌本道(現在の国道36号)が開通し、千歳は街道の宿場町として栄えるようになりました。
その後、入植者による開拓が進み、現在の街の基盤ができました。

千歳の歴史
千歳の歴史

明治21年(1888年)に、サケ産卵事業が開始されると、明治29年には北米より導入されたサケ捕獲装置、通称「インディアン水車」が設置され、今も秋の千歳川の風物詩となっています。
明治41年(1908年)には支笏湖と苫小牧、千歳を繋ぐ王子軽便鉄道、通称「山線」が開通し、発電のための木材運搬や支笏湖観光に活用されました。
昭和26年(1951年)に廃線となった後は、1970年代よりサイクリングロードとして親しまれています。
また、支笏湖湖畔に残る山線鉄橋は、元々は明治32年(1899年)に空知川に架けられていたものを移設したもので、北海道に現存する最古の鉄橋として日本の橋梁史においても稀少であり、2018年には日本土木学会選奨の土木遺産に認定されました。

千歳の歴史

大正15年(1926年)、北海道鉄道が開通すると、この鉄道を利用して千歳で小樽新聞社(現 北海道新聞社)主催のふ化場見学会と観楓会が行われることになりました。 新聞社は、千歳村に昼食の応援を依頼し、そのお礼に購入したばかりの飛行機を千歳の上空に飛来させることを約束しました。
「せっかく飛んでくるのならば、着陸して間近で飛行機を見せてもらいたい」との村民の強い想いから、着陸場の造成が決まり、村民が2日間、延べ150人が参加して整備された着陸場が千歳飛行場の始まりとなりました。
札幌飛行場から千歳に降り立った「北海」第1号機は、周辺の地域からも多くの人々が見学に訪れ、着陸の際は大歓声が上がったと伝えられ、空港のある街への第一歩だったと言われています。
「北海」第1号機は、現在「名水ふれあい公園」に隣接する浄水場の管理棟で原寸大模型を見ることができます。

千歳の歴史

その後、海軍航空隊の開隊などにより人口は増加、昭和17年(1942年)には千歳村から千歳町へ昇格しました。
終戦後には米軍が利用していた千歳飛行場に民間航空が再開、昭和29年に陸上自衛隊、昭和32年には航空自衛隊の駐屯地・基地が設置され、昭和33年(1958年)に千歳市となってからの発展を支えてきました。
現在千歳市は「北海道の空の玄関口 千歳」として発展を続け、支笏湖をはじめとする様々な観光資源にも注目が集まっています。

千歳の文化Culture

千歳の文化
千歳の文化
千歳の文化

千歳には古くから大きな集落があり、たくさんの人々が生活していたことが市内の遺跡や出土品で分かります。
千歳市東部にあるキウス周堤墓群は、地面を円形に掘って周囲に積み上げ、内側を墓にした集団墓地で、縄文最大の集団墓地といわれています。なお2019年現在、キウス周堤墓群は「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」としてユネスコの世界遺産登録を目指しています。
また、美々4遺跡の「動物形土製品」(縄文晩期)、ママチ遺跡の「土面」(縄文晩期の土製の仮面)、「北海道美々8遺跡出土品」(主に近世初頭のアイヌ文化の木製品)は国の重要文化財に指定されています。
これらの遺跡や出土品については、千歳市埋蔵文化財センター展示室で知ることができます。

千歳の文化
千歳の文化
千歳の文化
千歳の文化

また、千歳には多くのアイヌ民族が住んでいました。
蘭越生活館では、千歳アイヌ協会やアイヌ文化伝承保存会により年間を通して様々な事業が行われており、千歳アイヌの生活や文化を知ることができます。
秋には新しいサケを迎える儀式「アシリチェプノミ」が行われます。 昔と同じようにチプ(丸木舟)に乗り、先端に鉤が付いたマレク(銛)を使うアイヌの伝統漁法で、アシリチェプ(新しいサケ)を必要な分だけ捕獲。アペフチカムイ(火のカムイ)に供え、その年の豊漁と人々が無事に暮らせることを祈る儀式です。